Introduction

本物が魅せる美しい
バレエシーンの数々
監督はドキュメンタリー出身で本作が長編初監督作品となるジェシー・エイハーンと、『マッドマックス』でメル・ギブソンの妻役を演じたこともあるジョアンヌ・サミュエル。リアルを追求するために、主演に抜擢されたのは世界最大のバレエコンクールで金賞を受賞したジュリエット・ドハーティ。ライバルのグレイシーを演じるのはローザンヌ国際バレエコンクールにわずか15歳で出場したことのあるプリムローズ・カーン。主人公のダンスパートナーを同じくローザンヌ出場経験のあるジョエル・バークが演じる。そのほか、バレエの国際コンクール等で実績のあるダンサーを起用し、バレエシーンはすべて役者自身が踊っている。舞台となるアカデミーは、ケイト・ブランシェット、メル・ギブソン、バズ・ラーマン監督らも学んだオーストラリアで最も権威のあるオーストラリア国立演劇学院が使用され、振付師にはオーストラリア・バレエ・カンパニーのプリンシパルであったダニエル・ガウディエッロを招き、圧巻のバレエシーンの創出に成功した。

Story

バレエの有名校に通う才能豊かな若きバレエダンサー、サムは自身がプリマの演目「赤い靴」の公演間際に、常に憧れの存在であった同じくバレエダンサーの姉の訃報を耳にし、ショックのあまり踊れなくなってしまう。精神的に大きな傷を負ったサムは学校を辞め、自堕落な暮らしをしていた。万引きをして200時間の社会奉仕活動を課されたサムは、母親に半ばだまされる形でかつて通っていたバレエ学校で清掃員として奉仕活動をすることになる。はじめは身近にバレエの存在があることにうんざりしていたサムだったが、当時のライバル、密かに恋心を抱いていたダンスパートナー、そして今も変わらず少年少女を厳しく鍛え上げている師との再会を通じて、その胸の奥に再びバレエへの深い情熱が湧き上がってくる。だが、またステージに立つには過去のトラウマが大きな壁となっていた。そんな時、今年も「赤い靴」の公演が決まり、サムの心は激しく揺れ動く。

Staff Profile

監督:ジェシー・エイハーン »
監督:ジョアンヌ・サミュエル »
脚本:ザカリー・レイナー »
脚本:ジョン・バナス »
脚本:ピーター・マクロード »
振付:ダニエル・ガウディエッロ »
音楽:ドミニク・カブーシ、
ブロンテ・マリー・オニール »
監督:ジェシー・エイハーン
Director : Jesse A’hern
母は本作の共同監督を務めたジョアンヌ・サミュエル、父は撮影監督として活躍しているニック・エイハーンという映画一家に生まれる。音楽大学院を卒業後、プロデューサー、監督、ポストプロダクション監修として活躍。映画作品に加え、メル・ギブソンなどのオーストラリア映画界で著名な映画人らのインタビューを特集したドキュメンタリー「Wake In Film」への取り組みでも知られている。本作が長編初監督作品となる。
監督:ジョアンヌ・サミュエル
Director :
Joanne Samuel
ハニーブルック・スタジオでバレエ、タップ、コンテンポラリーダンスを学び、ノースシドニーのインディペンデント・シアターで演劇を学んだ。『The Legend of the Five』(20/未)で監督デビュー。子供の芸術教育を長年にわたって提唱しており、2004年にスリー・シスターズ・ユース・スタジオを設立し、青少年向けに演劇を上演している。『マッドマックス』(79)のメル・ギブソンの妻役で知られている。
脚本:ザカリー・レイナー
Screenplay :
Zachary Layner
大学では演劇を専攻。その後ロサンゼルスで脚本を書き始め、主にシェイクスピア作品、子供向けアニメーション、ウェブシリーズの脚本を執筆。ユージン・オニール劇作家カンファレンスでは初の長編劇でセミファイナリストにノミネートされるなど注目を集めた。本作が長編映画初脚本作品となる。
脚本:ジョン・バナス
Screenplay : John Banas
主にテレビシリーズの脚本を執筆し、1984 年にニュージーランド業界賞の最優秀脚本賞を受賞。テレビ映画『Siege』(12/未)ではニュージーランド映画脚本家賞の最優秀ドラマ賞にノミネート。『How To Murder Your Wife』(15/未)は、ニューヨーク国際映画祭で最優秀コメディ賞を受賞、イギリスのC21ドラマ賞で最優秀テレビドラマ賞を受賞した。脚本を通じたオーストラリア社会への貢献が評価され、2001年にオーストラリア連邦生誕100周年メダルを授与された。
脚本:ピーター・マクロード
Screenplay :
Peter Mcleod
作家・脚本家。2008年に第1回Leeds Thought Bubbleコンペティションで初のグラフィックノベルを発表。それ以来、人気の作家兼脚本家として映画製作に携わり、アメリカや中国の企画で執筆を行う。ジョアンヌ・サミュエル監督の『The Legend of the Five』(20/未)の脚本家として知られている。
振付:ダニエル・ガウディエッロ
Choreography :
Daniel Gaudiello
2004年にオーストラリア・バレエ団に加入し、2010年に妻のラナ・ジョーンズと同時にプリンシパル・アーティストになる。2007年、テルストラバレエダンサー賞を受賞、2009年にはロンドンとバルセロナでのイングリッシュ・ナショナル・バレエ団の「薔薇の精」の公演にゲストアーティストとして参加している。2016年に退団した後はニュージーランド・バレエ団のゲストアーティストとして『ジゼル』でアルブレヒト公爵役を、2017年には『カルメン』でドン・ホセ役を踊るなど活躍の場を広げている。
音楽:ドミニク・カブーシ、ブロンテ・マリー・オニール
Music :
Dominic Cabusi,
Bronte Maree O’Neill
音楽制作スタジオMAARI MUSICを共同で設立。映画、テレビ、メディア向けの音楽のスコアやサウンドトラックを制作している。ダークな電子機器とオーケストラのテクスチュアを組み合わせることで、ほろ苦く憂鬱なサウンドスケープを創出。『The Legend of The Five』(20/未)で音楽を担当。本作のほとんどの楽曲をオリジナルで制作している。

Cast Profile

サム:ジュリエット・ドハーティ »
イヴ:ローレン・エスポジート »
ベン:ジョエル・バーク »
ミス・ハーロウ:キャロリン・ボック »
グレイシー:プリムローズ・カーン »
サム:ジュリエット・ドハーティ
Sam : Juliet Doherty
1997年6月10日、ニューメキシコ州アルバカーキ生まれ。オーストラリア系アメリカ人の俳優・ダンサー。同じくダンサーである母親のクリスタ・キング=ドハーティから指導を受け、その後サンフランシスコ・バレエスクールでクラシックの稽古を続けた。米国最大級のバレエコンクール、ユース・アメリカ・グランプリ(YAGP)でゴールドメダルに輝き、他にも全米芸術文学協会(NSAL)、北京国際バレエコンクールでの受賞など輝かしい成績を収めている。スーザン・ストローマン演出のミュージカル「Little Dancer」への出演や、ミュージカル「巴里のアメリカ人」ではヒロインのリズ役で出演するなど活躍。主な映画出演作は『ハートビート ネクスト・ステージ』(18)など。
イヴ:ローレン・エスポジート
Eve : Lauren Esposito
1997年9月12日、オーストラリア・アデレード生まれ。11歳からミュージカル劇場で俳優としてのキャリアをスタートさせた。2016年にオーストラリア国内で高い評価を得たドラマシリーズ「Love Child」のシーズン3でメインキャストを務めたことで人気を博し、その後も話題のドラマへ出演。映画ではジェームズ・ワン監督の『死霊館 エンフィールド事件』(16)で主要キャストのひとりとして出演しているほか、『The Legend of the Five』(20/未)では主役に抜擢された。
ベン:ジョエル・バーク
Ben : Joel Burke
オーストラリア・ブリスベン出身。俳優、ダンサー、プロモーター。クイーンズランド・バレエアカデミーで学ぶ。クイーンズランド・バレエ団では「くるみ割り人形」でフリッツ役を演じるなど活躍。2018年にはスイスのローザンヌ国際バレエコンクールでセミファイナリストになる。2019年、オーストラリアのバレエシューズやダンスウェアを展開しているエナジェティックスのモデルとなるなど、今最も注目されている俳優のひとりで、本作が映画デビューとなる。
ミス・ハーロウ:キャロリン・ボック
Ms. Harlow : Carolyn Bock
オーストラリア生まれ。ヴィクトリア芸術大学を卒業し、イスラエル・バレエ団で1シーズンを過ごした。22歳で演技の道に進むことを決意する。その後テレビや舞台、映画などで活躍。ダンスや演劇の指導者としても活動しており、児童向けの多くのダンス作品や演劇作品を創作、プロデュース、演出している。主なテレビ出演作は「ウェントワース女子刑務所」、映画では『ZONE39』(96/未)、『消された真実 グリニッチ殺人事件』(02/未)、『報復のカウントダウン』(11/未)など。
グレイシー:プリムローズ・カーン
Gracie : Primrose Kern
オーストラリア・ケアンズ生まれ。2017年にニューヨークのエリソン・バレエ学校に特別奨学生として入学、同年にパリ・オペラ座バレエ学校とロイヤル・バレエ・スクールのサマー・プログラムに参加し、2018年と2019年に再び招待された。この間、スイスのローザンヌ国際バレエコンクールにわずか15歳で出場。2019年にはロイヤル・バレエ・スクールのアチーブメント・アワードを受賞。その後、日本でパリ・オペラ座バレエ団とツアーを行った後、現在はボストン・バレエ団に客演している。